色んな偶然が重なって、
ある日本人の夫妻と、通訳の方(お心遣いに感謝です)と共に
染色家イザベルさんのアトリエを訪ねました。
イザベルさんの話が面白く、ざっくりまとめると、
学生時代、動きと空間に関心と疑問があり
最初は土やメタリックを使って“動きの痕跡”を表現していた。
ある時田舎の早朝に、蜘蛛が糸を吐きながら動きの痕跡を残していくのを目にして
“そうだ、私も蜘蛛になろう”と。
最初は糸を使うことから始めて、
自分が蜘蛛のように動き回り空間を作っていた。
それが自然と縦糸、横糸となり、織物や染色へと興味が広がっていく。
大学卒業後は劇団の舞台装飾をする機会があり、
蚤の市などで限られた予算の中から古い麻布などを見つけてきては染めていた。
それは古いものを光の当たるものへと変化させる作業のように感じていた。
芸術の世界には波がある。
その後国際交流基金の援助により日本に1年程滞在。
日本には青(藍)のイメージがある。
そして絞り染めへの興味もあった。
(絞り=手の動き、どうやってこの動きが布に表れたのか?)
自分は染色のプロフェッショナルではない。
動きの痕跡への興味が今は染色にある、ということ。
というお話でした。
今やBalenciagaのショーにもその染色が用いられたことも。
そうか、パリコレは職人達の総決算でもあるんだなぁ。
“布が形を決める”
という考えで日々製作いるそうです。
ふわっふわの生地。
日本では平面的な型紙に感じる形でも、
イザベルさんの手にかかると多様な纏い方ができる不思議。
来年京都で展示をやるかもしれないとのこと。
その後ご夫妻と3人でモントルイユの蚤の市へ。
日用品が多くてあまり掘り出し物はないかも、と思っていたけれど
ご主人は古い小さな鞘を購入されていました。
花を生けてみようかな、と。素敵。
明日帰国するお二人と、じゃあ、またね、とお別れ。
最近出会いと別れが多すぎて
胸のきゅーっとするところが筋肉痛な気がする。

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