2013/11/30

300年のオリーブ林


南仏で、拠点として滞在させてもらったのが
アンティーブの岬一帯にある別荘地。
ここに滞在していているお二人が〝数日来てもいいよ!〟と
声をかけてくれたのがきっかけ。
今回南仏は諦めていたのでこの機会、有り難かった!

この別荘地一帯、もともとは300年来のオリーブ林が広がっていて
現在もこのオリーブを活かした造りの別荘が多かった。
300年前って日本でいえば赤穂浪士、徳川家五代目から六代目へ。
この辺がどんな人達が歩き回っていたのでしょう...ベラベラ喋っていそう。

こんなに大きなオリーブの樹、初めて。
横に広がっていくたくましさ。


庭。
みかんやオレンジ、オリーブ、家庭菜園、ハーブ。
食べれるものがいっぱい...!
ラヴ♡無農薬♡
お隣さんはロシアのMフィアさん?
日本では893と省略したりしますよ。

近所の小径。
オリーブ先輩達が並ぶ道を歩いていくと...

海!
もう少し暖かければなぁ。

ニース市街地の向こうに雪山が見える。

庭に生えていた何か。甘酸っぱい。
男性陣には不人気(親近感)。

アンティーブ市街地にある港。クルーザーが沢山。
お金ってあるところにはあるんっすね。
急に日が暮れて、この港からどこかに売り飛ばされやしないかと
怯えて市街地に戻る。
(誰も三十路にそんなことはしない)
(のはわかってるんですがね)



南仏の人ってイタリア人のような風貌をしていたり、
市街地には夏の強い日差しを避けるような街並が。
人間が時代によって国境をひいたりはするけれど
人や食べ物や暮らし方はやはり自然に沿って広がりを見せる。

普段はアパート暮らしの冴えない私めが
のんびりとこんな別荘地に滞在できて幸せでした。
何が豪華って、特別なことをするでもなく
天気のいい日に海辺を歩いてみたり
(サイクリングしてる人も多かった)、
静かな夜に暖炉を灯して、この土地で穫れる食べものを料理を頂いたり
(アペリティフから始まってデザートまで3〜4時間かける)、
夜は星がきれいだったり。
いつも静かで、耳がすごく休まった気がする。
カンヌやモナコも近かったけど、多分行っても面白くなさそうだったし
行かなくてもこんなに南仏がもこもこと私の中にある。
いつか温かい時期にも来てみたい。



◉さみ〜!
 Ca caille!
 サ カイュ!



南仏は暖房設備が整っていないので、寒い日は本当に寒かったです。



2013/11/26

南仏ば来ちょります


一度来てみたかった南仏に来ています。
今回もEasy jetで...。
“ヨーロッパに住む人の週末スタイルを変えた”という謳い文句?のEasy Jet。
ヨーロッパ圏内で手荷物だけなら数千円で行けてしまうのです。
以前バルセロナ〜パリも70€くらい、
この間のベルリン〜パリも、トゥールーズ〜パリも、ニース〜パリも50€代で。
今回の三十路滞在スタイルに影響を与えていることも本社へ伝えたいところ。

飛行機から見えた山脈、奥の白いのは全部雪山。


初日はEze(エズ)に一泊しました。
南仏、思いのほかとっても寒い!
遠くには雪山が見えました。
前日にはヒョウが降ったとか。

Ezeは鷹の巣城といわれる断崖の上にちょこんとある小さな村。
夕方着いて、少し散策し暗くなったところでこの日は終了。
静かな夜、10時間程爆睡して、翌朝植物園へ。
植物園の頂上がこの一帯の断崖の頂上にもなっていて
遠くはコルシカ島まで見渡せます。

ニーチェは中央下部にある山道を歩きながら
『ツァラトゥストラかく語りき』の構想を練ったとか。
かく。




お昼のバスでNiceへ移動。
ナイスじゃなくてニースです。
旧市街でSoccaを食べる。

焼き上がったSocca。
ひよこ豆の粉と水、
焼き上がりに胡椒をふりかけたシンプルな味。


公園でペタンクをするおじさん達の盛り上がりが熱を帯びていて、
投げる時にスナップ効かせたり、座ったまま投げたり
場合によっては“メルド!”って言ったり。
それを見るおじいちゃんおばあちゃんが
ベンチに5人でぎゅうぎゅうに座っていたり、
素朴な、普通のフランス。


その後...続く!




◉久しぶりだね!
 Ca fait Longtemps!
 サ フェ ロントン





2013/11/22

ほら、食べものは私を裏切らないっていうか


パリっこさんたちは最近ハンバーガーブームのようです。
残り少なくなってきた滞在、食べ残しのないように
最近財布の紐が少し緩くなってます。




オサレハンバーガー人気店、Blend。
平日の夕方早めに行ったのですんなり入れました。
10€で10種類くらいある中から、いろいろトッピングの食べてみました。
パンも、ケチャップも、ぜーんぶ自家製。
肉はミディアムでお願いしたけど結構レア、赤身多くて美味しかった
(寺◯ジモンさんに伝えなきゃ)。
ベーコンやチーズも入ってたんだけど胃がもたれない、味はしっかり。
Merciのすぐそば。


その後近くの老舗お菓子屋さんへ。
食べてみたいお菓子があったので
「日持ちどれくらいしますか?」と尋ねたら、
オサレゲイボーイくんが(ゲイであることに全く問題はない)
『10・日・間よ!』
と“よ!”のところでいじっていたPCをバタンと閉じたので
ちょっとこれにお金は払えないなとお店を出ることに。
帰り際に何か感じたのか急に
『定休日は月曜日です』
って言ってたけれど、うーん。


家主さんに教えてもらった、チーズ屋さんで売ってるバター。
量り売りしてくれます、100gで1.3€くらい。
何だか新鮮で美味しい味。
おじさんの接客も◎なのだ!



◉残念!(肩をすくめながら)
 Tant pis!
    トン ピ!



Paris Photo 少しだけ続きまっす

少し前に行ったfiacの写真版、Paris Photoさ行ってきたんです。
学生証があると半額で14€に。
世界中のギャラリーが自慢の写真を持って集まっている。
値段は数十万円から数百万円まで。
fiacは作品の触れ幅があってその分面白くもあるんだけど疲れもして、
Paris Photoは全体的に安定感があって見やすかった。
休み休み4時間かかってようやくひと周り。
後日また行って、その日も3時間半観た。



1800年代中頃(写真が始まった頃)のものだけをコレクションしているギャラリー3つ。
ロンドンと、NYと、あとどっか。
ただ古いだけでなく、写真の力やコンディションも良くて。
どこから絶え間なく集めてこれるのか。


こんな建築物見たの初めて。
どなたか知ってる人いたら教えて下さい。

これも1800年代中期の技術者たちの写真?
顔立ちが、眼差しがいいなと思う。
現代って情報が多すぎるのか注意散漫な顔になってる気がするけれど
この時代って今より文明や世界と調和してる気がする。
皆さん何をお話しで?



福岡ドームと同じ広さの会場、グラン・パレ。
その一角に写真専門書店コーナーも。
30軒近くはあったのではなかろうか。

これは...カール・ラガーフェルドのおじちゃま?

人気作家のサイン会も。
ソフィ・カルとニアミスしてしまった!
見たかったー



日本の古い写真集を集めたお店も。
中平さんってこの本の後記憶喪失になったんだっけ。


色、字体◎


この上の本、夜の公園を
赤外線カメラで撮影(スナップ?盗撮?)したものらしい。
こういう細やかな好みに触れる本を出せるってある種の指標を表してると思う。
物作りだったり、景気の良さだったり、
開拓したり時代に切り込んでいく感じとか。








休憩していたら、近くにフラメンコの衣装を見につけた女性が座っていて
私服なのか何なのかよくわからなかったけど
しばらくしたら混雑した会場の片隅でこの状況に。
パリ・フォト側がセッティングしたのか?
『撮ってね』ってことだよねと撮影させて頂く。
みんな鼻息荒く撮影です。







◉広告業界で働いているよ。
 Je travaille dans la pub.
    ジュ トらヴァイユ ドン ラ ピュブ






     

2013/11/20

『Paris photo 2013』の photo





























































◉この列は何のための列ですか?
 C'est pour quoi la queue.
    (セ プーる コワ ラ ク)






2013/11/17

80年、そして人生よ続け。後編


宴の翌日、街歩きをして父っつぁんの家に戻ると
前日の宴のごちそうの残り物でランチ会をやってました。
昨夜の面々が集まって、10人以上はいたと思う。
『食べて喋ってばかりだろう?これがフランス人の仕事だ』
父っつあんは教えてくれました。

夕方、再び観光して戻ると、まだ集まりが続いています。
しかもまた人数が増えている。
チームお子様が『何か日本語で喋ってみて!』などの歩み寄り。
〝指差しフランス語〟本を持ち出して戯れる。
チームムッシュ、指差しに載っていたピンク単語に大喜び。

あるムッシュが手にした洋梨が面白いくらい男性的な形状をしていたので
みんなで一通りニヤニヤしていると父っつぁんが
『Jun、フランス人にとって話すこととは、
 スポーツでもあり、喧嘩でもあり、...そう、セックスでもある』
とまた教えてくれたので、テーブルに額をぶつけたくなりました。
その時娘さんがバナナの皮を全部剥いて両手で食べていたのは、
日常なのか、サービス精神だったのか。




しばらく前、文化交流で福島の人達が15人程この街を訪れた時、
この一家は家族総出で色々と尽くしてくれたよう。
その後この家族の友人料理人がキャラバン隊として福島を訪れ。

私はこの家族が大好きになりました。
眉を吊り上げ恐ろしく怖い顔で面白いこと言った後、
ほっぺを3センチくらい上げ、丸い舌を出して笑う父っつぁん。
どことなく、背中で語る人なんですよね。背中が勝手に喋ってるのか?
犬の散歩に連れてってくれ、マッサージを喜んでくれたマダム。
帰る日に持たせてくれたランチボックスとっても嬉しかった。
そして今回の企画者、優しくて優しくて面白くて面白くて面白い娘さん。
こんな人間力持ってる人ってそういないと思う。
それに?吉本新喜劇のオーディションがあったら受かると思う。
そして!あんな愉しい宴を、ひとつの気持ちを形にできる愛を持ってる人。
うーん、何だろ、まさかこんなに賑やかな胸中で帰るとは思ってもいなかった。
ずっと元気でいてほしい。
それが叶わないこともわかってる。
だから思う、続いてくれよって。




3人の住む街の大聖堂。
ラピスラズリを多く使って描かれた天井。
昔イタリアから連れてこられた絵師たちは
数年がかりの作業が暇だったりさみしくて
こっそり壁絵に自分や妻の顔を忍ばせているとか。





◉乾杯!
 Sante!
    ソンテ!








2013/11/16

80年、そして人生よ続け。前編


縁あって、
『父っつぁん80歳の誕生日おめでとう!
 どっきりサプライズパーティー』
に混ぜてもらってきました。

娘さんが中心となり1年前から準備、テーマは『cinema』。
お父さん、シネマアカデミーから招待状が届いているよ!という企画。
パーティーだし、ちょっとアクセサリーつけていけばいいかな、
なんて思って行ったら大間違い。
皆さん結婚式ばりのドレスアップなのでした。(だってアカデミーのパーティーだから)
私のことは召使いだと思ってほしい。

招待状から会場の飾り付け、お化粧室までぜーんぶcinema!
テーブルセッティングまで、例えばこんな風。


座席にもそれぞれ映画俳優の名前が。
私はミッシェル・ファイファー!
会場にはジャン・レノやアンジェリーナ・ジョリーもいらっしゃいましたの。





主役の父っつぁん到着までは軽く立食でアペリティフ。
チームお子様が食べものや飲み物をサーブしてくれて可愛かった。
地震のこととか訊かれました。

そしていよいよ主役の父っつあん登場。
本人は“友達の誕生日だから食事に行こう”と言われていたようで。
少し心臓も弱いみたいだし、どんな反応とするのか全く想像がつかなかった。
会場に着くなり、いきなりみんなが揃ってて、替え歌で迎えられて。
ハット被って、恰幅のよい身体はスーツがとても良く似合う、
初めてお会いする父っつあん。
杖をつきながらゆっくり入ってきて
しばらく替え歌を歌うみんなを見回しながら、何度も頷いてました。
召使い(私)はアジア人なので、こういう時すぐ涙腺にくるから湿っぽくてやですね。
着席して宴の始まりです。

まず、また、替え歌の合唱。
改めて父っつぁんの人生をまとめた歌。
こんな真正面から自分の人生歌われたら...私なら笑ってしまいそうだ。



ワルツ調。

どんどんくぐっていくダンス。

チームお子様のブラックライトダンス。
どんどん変わっていく曲調も映画音楽。
この他にも新体操、映画の名シーン再現など。

ケーキの上にあった映画フィルムの飾り。

召使い、縁起物を頂く。

父っつあんの人生写真をまとめた映像。
赤ん坊は少年へ、青年になって、結婚。
父親になる頃には写真がカラーになって、
熟していって、普通のことがたーくさん重なって
それを歩んで今この瞬間があるっていうのは凄いこと。

見終わった父っつぁん、ばんざーい!
80年。
第二次世界大戦の頃には10歳くらい。
時代は急激に変わって、もしかしたら人だって変わったかもしれない。
家族背負って、仕事やり遂げて、
長生きして、人生全うしようとしてる。
奥さんと踊ってる姿最高だった。
駄洒落もしぶとくて最高なんです。
格好のいい男の人に会ったな。

しかし宴は終わらない、ウェーブダンス。
召使いも誘われたので喜んで寄って行くと
『君はみんなの上を行くんだよ!』と言われ『???』
なんとみんなのうねりの上を運んでもらうらしい。
色々スミマセーン!と思いながらも大の字になって身を委ねました。
気分はスーパーマン。





ダンス、他にもフォークダンスみたいな老若男女で踊れるのがいくつもあって、
夜更けには女性軍ハイヒール脱いで踊ってました。ですよね。
雰囲気がアゲアゲじゃなくて、踊ったり休んだり、
テーブルでゆっくり会話を楽しんだり、また踊ったり。
みんな自然体ですごく居心地が良かった。
撮った映像は何度見直しても“愉しかったなぁぁぁ!”と思います。

その後あるマダムに
『あなたカーラ・ブルーニに似てるって言われないの?』
と言ってもらいウキウキに。
男顔、その手があったか。
パリで〝またスリと思われてる〟って感じる、物悲しい日々に終止符を打つわ。

チームお子様も遅くまで楽しんでいて、
フランスの子供は大人がこうして楽しんでいるのを見て育つから
早く大人になりたがるらしい。
チームお子様のリーダー?18歳の女の子が
思いっきりお洒落して、伸び伸び踊って、周りにも温かい子で、
あまりに眩しくて見とれてました。
さっき送られて来た写真に、その子がおどけてピースする姿を
気味悪く微笑む私の目尻の皺が逃げようもなく映っていました。
カーラ・ブルーニじゃなくて本当に召使いみたいでした。
(後編へ続く)






◉今日の君、きれいだね。
 T'es belle,aujourd'hui.
 テ ベール オウジューるデュイ